葬儀の準備を進める中で「遺影写真はどれを選べばいいのか」と悩むこともあるかと思います。葬儀にふさわしい遺影を選ぶには「遺影とはそもそも何か」を正しく理解する必要があります。本記事では、遺影写真を選ぶ際のポイントや遺影に関するタブー・注意点までまとめて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
そもそも遺影とは
遺影とは、葬儀の際に祭壇に飾られる故人の写真のことです。
参列者が故人の生前を思い出し、偲ぶための重要な役割を果たします。宗教的な意味合いは特にないため、必ずしも写真である必要はありません。肖像画を使用したり、遺影そのものを用意しない場合もあります。
遺影の準備の流れ
遺影の準備は多くの場合、故人の逝去後に遺族が通夜や葬儀のタイミングで進めます。
しかし、中には本人が生前にあらかじめ用意しておくケースも見られます。使用する写真は、亡くなる5年前以内のものが一般的です。あまり直前すぎると病気や体調不良時の写真になってしまう可能性がある一方、早すぎると年齢とのギャップが生じるため、準備のタイミングは慎重に考えましょう。
写真を用意する方法
写真を用意する方法としては、いくつかの方法が考えられます。
事前準備が可能な場合は、専門業者や写真館に依頼することで、服装やヘアメイクまで整えた高品質な写真を用意できます。一方で急な葬儀の際には、手持ちの写真を加工するのが一般的です。
写真館などで背景や服装を整える加工が行われることも多く、自然な仕上がりを期待できます。また、葬儀社によっては遺影の準備を代行してくれるサービスもあるため、依頼先を検討する際には確認しておくと安心です。
遺影写真の選び方
遺影写真を選ぶ際には、故人の印象を正しく伝え、参列者が心から偲べる写真であることが重要です。
選定時に確認したいポイントは、以下の通りです。
故人らしさ
まず最も重視されるのは故人らしさです。
遺影は、その人の人柄や生き方を象徴するものです。穏やかで優しい性格なら笑顔の写真など、その人らしい表情を選ぶことで、参列者が在りし日の姿を自然と思い起こせます。遺族と参列者の故人への印象が異なる場合もあるため、最終的には遺族が納得できる写真を選ぶことが大切です。
撮影時期
次に、撮影時期です。
一般的には亡くなる1〜5年前の写真が好ましいとされています。周囲が見慣れている時期の写真を選ぶことで、自然な形で故人を偲ぶことができます。また、あまり若すぎる写真は違和感を与えることがあるため注意が必要です。
若い頃の写真を使いたい場合は、メモリアルコーナーやスライドショーなど別の形で活用するのが効果的です。
画質・ピント
画質とピントも非常に重要です。
遺影は大きく引き伸ばされるため、最低でも200万画素以上で、ピントがしっかり合っている写真を選びましょう。背景や服装は加工可能ですが、画質が悪いと補正にも限界があります。
服装
服装については、近年では故人らしい服装を重視する傾向が強まっています。
スーツや着物にこだわらず、本人が好んでいた洋服を選ぶことで、より自然な印象を与えることができます。ただしパジャマやラフすぎる服装の場合は、修正を加えるケースも少なくありません。
カメラ目線
最後に、カメラ目線かどうかも重要です。
葬儀では多くの人が遺影を見ながらお別れをするため、故人と目を合わせるような感覚を与えるカメラ目線の写真が理想です。
遺影に関するタブー・注意点
遺影を準備する際には、いくつかのタブーや注意点を理解しておくことが重要です。
背景に余計な物や人が写り込んでいるものはNG
まず、背景の確認です。遺影に使用する写真には、余分な物や他人が写り込んでいないことが求められます。
背景に不適切な要素が含まれている場合、その写真は遺影として使用できません。写真を選ぶ段階で十分に確認することが、トラブルや不自然な印象を避けるために重要です。
仏壇に遺影を飾るのは避けるべき
次に、仏壇の中や上に遺影を飾ることは避けるべきです。
仏式の仏壇にはご本尊が祀られており、仏壇自体が清らかな彼岸の世界を象徴しています。そのため、仏様のいる場所に遺影を置くことは失礼にあたるとされ、故人を敬う意味でも控えるべき行為です。遺影は祭壇や専用の場所に設置することで、適切に敬意を表すことができます。
遺影はしっかり固定する
さらに、遺影はしっかりと固定することも大切です。
固定が不十分だと、ちょっとした衝撃や地震で落下し、縁起が悪く見えるだけでなく、フレームや写真が破損する危険性もあります。特に葬儀や通夜の場では、多くの人が移動するため安全面の配慮も欠かせません。
遺影を安全に固定することで、参列者が安心して故人に別れを告げられる環境を整えることができます。
まとめ
葬儀で用いる遺影は、故人の人柄や生前の姿を参列者に伝える大切な存在です。選ぶ際は、故人らしい表情や服装、直近1〜5年以内に撮影された写真、ピントや画質の良さ、背景の整理、カメラ目線であることを意識すると、自然で心に残る遺影になります。また、仏壇の中や上に飾らないこと、固定をしっかり行うことも重要です。遺影専門業者や写真館に依頼すれば、背景加工や服装修正も可能で、1〜5万円程度で準備できます。こうしたポイントを押さえることで、参列者が故人を偲びやすく、丁寧で安心感のある葬儀の演出が可能になります。